ステンドグラスのある日日(ヒビ)

ステンドグラスのある日日はステキだ!ステンドグラスがもっと身近になることを祈りつつ、ステンドグラスやガラスの未来を明るく楽しく考えるブログ。

「ステンドグラスの語源はそもそも、、、」の件

ステンドグラス 語源

ステンドグラスは英語にするとstained glassとなります。
「glass」は分かりますが、「stained」はどういう意味なんでしょうか。

「stained」は受動態なので普通の動詞に戻すと「stain」です。
「stain」は「シミや汚れ、汚損、染料、染色、染色剤、(名声や人格などの)汚点」などの意味があります。

芸術的な意味で表現の一つとして積極的に色を塗るというよりは、他と区別するため、そして識別で利用するための色付けであり、さらにいうと「意図せず付けられてしまった」というような、どちらかというとネガティブな意識で色をつけられたというイメージを受けますね。

つまりステンドグラスはそもそもは「シミや汚れのついたガラス、色のつけられてしまったガラス」という意味だったということです。
でもそんなネガティブなイメージのステンドグラスが、現在のように教会や公共施設に使われるような立派な芸術作品にまで進化したというのはすごいですね。
何が起きたのでしょうか。
それに関してはまた別の機会に。

ステンドグラス 語源

さて同じように「ステン」で思いつくのは「ステンレス」ですね。
「stainless steel」のことでステンレス鋼と呼ばれる合金です。
一般的にステンレスというと「錆びない」と思われがちですが、決して錆びないわけではなく、「錆びにくい」ということのようです。
そしてこちらは「stain」と「less」に分けられます。
つまり「シミや汚れがない、少ない」→「錆びが付きにくい」ということですね。

ステンドグラス 語源

その一方で、DIYの世界では「stain」は「ステン」ではなく「ステイン」と呼ばれるようになり、この場合、木目を活かしたり、木材を簡単にビンテージ風にできる塗料のことを指します。
その色合いはキレイに塗装して仕上げるというよりは、木材の素の良さを引き出すような塗料です。

そうかと思うと、歯の「stain(ステイン)」というと「歯の着色汚れ」のことです。
これは完全にマイナスイメージです。
でもこれが「stain」本来の意味なのかもしれません。

こうしてみると、「stain」という言葉にはシミや汚れなど、本来は付いて欲しくないというちょっと受動的でマイナスなイメージがあるようです。 

ステンドグラス 語源

ここでちょっと「stain」を分解してみます。

まずは「s」と「tain」に分解します。
実はこの「tain」にも「染める」という意味があります。
そしてこの「tain」や名詞形の「taint」にも「染める、汚染」などの意味がありますが、やはりちょっとマイナスイメージの言葉のようです。
語源から考えてみると「tain」は「保つ、保持する」という意味があり、「keep」や「 hold」に近い意味です。
「sta」の語源は「stand」、つまり「立つ」という意味です。
「in」は「中」ですね。

総合すると、「あるモノの中での染まった部分が立っている状態、保持されていさま」ということから「シミや汚れ」という意味になり、さらに「人の内面の汚れ、汚点」までも意味する言葉になっていったのでしょう。

ステンドグラス 語源

あんなキレイなステンドグラスが、実はシミや汚れといったネガティブな意味からスタートしたなんて、今となっては信じられませんね。

「stain」の汚名返上のため、これからももっともっと、その語源からかけ離れた素敵なステンドグラスたちが生まれてきますように!