一般的にステンドグラスというと色とりどりのガラスを使用したカラフルなものというイメージがあると思います。
しかしすべてのステンドグラスが色付きのガラスだけを使用してるかというと、そういうわけでもありません。
色のついていない透明なガラスを組み合わせている作品もたくさんあります。
ではその色のついていない透明なガラスだけを使ったステンドグラスはないのかというかと、もちろんあります。
むしろ私はこの色のついていない透明なガラスを使ったステンドグラスの需要が今後ますます増えていくと予想しています。
「色のついていない透明なステンドグラスって、ただの窓ガラスじゃないの?」と思った方、確かにアルミサッシの枠にガラスをはめ込んだだけであればそうかもしれません。
しかし透明なガラスといっても、ただ透明なだけではなく、例えばすりガラスやフロストガラス、型板ガラスなど、様々な模様がつけられたガラスもあります。
そういった模様のついたガラスとステンドグラス特有のケイム(鉛製の黒い線)をうまく組み合わせることで、シンプルでもとても芸術性のある上品なステンドグラスが出来上がります。
例えばこちら。
私はこの透明ステンドグラスに、ステンドグラスの将来のひとつの姿があると思っています。
というのも、日本においてのステンドグラスは西洋と違い、ハッキリした色のガラスを使うというよりはガラスの個体差によるちょっとした色の変化やグラデーションをうまく捉えたり、控えめな色味を組み合わせるということが特徴のひとつであると感じています。
色味としてはおとなしくても、さりげなくデザイン性はアピールできるという点で、透明なガラスを使ったステンドグラスは従来のステンドグラスの使用範囲を越えていろいろな場面に応用できるのではないかと考えています。
さらに言うと、日本人には昔から馴染みのある障子に代わるものとしても受け入れられるのではないかと感じています。
海外の教会に使われているような色味が濃く、派手で大げさなステンドグラスはあまり好みではないという方もいらっしゃると思います。
実は私もそうです。
そういった方は、それこそ日本的なわびさびすら感じられるような、まるで水墨画のような魅力を持った透明なステンドグラスがオススメです。
そんな中、ガラスメーカーさんでも先んじて「ラインアートガラス」というガラスを販売していらっしゃる会社があります。
こちらはガラスを重視したというよりも、ステンドグラス特有のケイム(鉛製の黒線)を模した線で描いたアート作品という意味合いの方が強いかもしれません。
www.glass-dictionary.com
ということで今後増えていくであろうこの透明なガラスを使ったステンドグラスを、従来のステンドグラスとはカテゴリーを分けて新しく名前をつけたいと思います。
例えば、クリアーステンドグラス、カラーレスステンドグラス、ノンカラードステンドグラス、トランスペアレンシーステンドグラス、、、
では勝手に「アンカラードステンドグラス(uncolored stained glass)」と名付けます!
今後もこの「アンカラードステンドグラス(uncolored stained glass)」から目が離せません!
スポンサーリンク