ステンドグラスのある日日(ヒビ)

ステンドグラスのある日日はステキだ!ステンドグラスがもっと身近になることを祈りつつ、ステンドグラスやガラスの未来を明るく楽しく考えるブログ。

「町おこしに最適⁉︎ ステンドグラスで地域活性化! その2」の件

ステンドグラス テーマパーク

「町おこしに最適⁉︎ ステンドグラスで地域活性化! その1」では、まだステンドグラスで地域活性化をしているところはないという現状をお伝えいたしました。今回の「その2」では実際にどんな地域が向いているのかを考えてみます。


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ステンドグラスの街として手を挙げるには? 〜立地〜

「ステンドグラスの街」としてのハード面ソフト面ともに考えていく必要がありますが、その前に地域活性化を前提とした立地を考えてみます。

「一ヶ所集中型」なのか「地域回遊型」なのか

「一ヶ所集中型」とは主に大都市の商業施設内やその近辺にあり、施設が一ヶ所のみ、もしくは同じテーマの施設が近くに複数あるタイプです。
都会の交通の便の良い立地であれば、気軽に行ける分、移動のハードルは下がります。
こういった立地では半日〜1日楽しめるぐらいのボリュームの方が良いでしょう。
そこがもともとの目的ではない人もついでに寄ったり、ウインドウショッピング的にちょっと気になったから見てみるなど、行きやすいぶん、一回あたりのハードルを低くして、リピーターを作ることを考えます。
多くの来場者が見込まれますが、その分施設の賃貸料などは高騰するでしょう。

「地域回遊型」とは、主に地方にあり、ある程度の広さのエリアに同じテーマの施設が複数あり、それらを自家用車やシャトルバスなどで移動するタイプです。
旅行として「わざわざ行く」感があり、移動や準備に時間をかけることで期待感と非日常感が高まります。
その場所、その地域でしっかり半日〜1日、もしくは複数日楽しめるように滞在できるような宿泊施設や駐車場を含めた広さを確保できる場所が望まれます。
行くまでのハードルは高いですが、一度行くと滞在時間は長くなり、そこで使う金額は施設の入場料や食事や物販などを含め、高額になることが見込まれます。
いかに「行ってみたい!やってみたい!見てみたい!」という気持ちにさせるかというのがキーポイントになります。

ステンドグラス テーマパーク

上記は私独自の分類ですが、地域活性化ということを考えると、「地域回遊型」が前提です。

東京や大阪、名古屋、福岡などの都心から車で2〜3時間ぐらいで行ける場所で、ある程度の広さのエリア内でいくつかの施設があり、そこを回遊することで細分化されたテーマを楽しめる場所が良いでしょう。

その一方でポップアップショップを都心に出すことも重要な戦略だと考えています。
ここはステンドグラスの認知度アップと施設の宣伝、そしてその施設に「行ってみたい!やってみたい!見てみたい!」気持ちを高める役目を担います。
そしてアンテナショップのように常設ではなく、展覧会のようにいろんな都心を巡回させます。
場所も変えて何度も出店し、少しづつ見せ方も変えていくことで限定感を出して、今この瞬間の都心と施設のある地方を繋ぐ役目も持たせます。


ステンドグラスの街として手を挙げるには? 〜ストーリー〜

ステンドグラスの街として立候補するためには「なぜこの場所でステンドグラスをアピールしているのか」という理由やストーリーが必要になります。

キーワード 〜ガラス〜

ステンドグラスにはまずはガラスが必要になるので、「ガラス」をキーワードに考えてみます。

ちなみに、すでに「ガラスのまち」として動きのある富山市の場合は、古くからの「富山の売薬」産業に伴い、薬の周辺産業としてガラスの薬びんの製造が盛んに行われていました。戦前は全国のトップシェアを誇っており、ガラス工場が10社以上あったそうです。戦後は空襲の影響もあり、衰退した部分もありましたが、そういった歴史とガラスの将来性や国際性、市民との親和性に着目し、昭和60年に「市民大学ガラスコース」を開講しました。このコースの開講によって市民がガラスに親しむ機会が生まれ、これを機に「ガラスの街とやま」への取り組みがスタートしました(文章一部引用:広報とやま 平成28年9月5日より)。

一方、滋賀県の長浜は、明治期に「黒壁銀行」と呼ばれ親しまれていた建物が、様々な持ち主の手に渡ったあと、平成元年に今の「黒壁ガラス館」となり、ヨーロッパを中心とした世界の美しいガラス製品などが展示販売されるようになりました(文章一部引用:https://icotto.jp/presses/7456より)。駅の看板にもステンドグラスが使用されているなど、地域ぐるみで取り組んでいることがわかりますね。

ステンドグラス カラフルな窓

ではそれらを踏まえてどんなストーリーがあるでしょうか。

例えば
・ガラスの生産量が日本一
・ガラス工場が多い
・優秀なガラス職人さんが多い
・ガラスに必要な材料が多く取れる
・ガラス工芸品が世界から集められている
・ガラス製品の購入額が一位
・超巨大なガラス製品がある
・ガラス作家さんが多い
・ガラス工房が多い
・変わったガラス製品が多数ある
・なぜかガラスを割りやすい地域性
・割れたガラスがたくさん捨てられている

、、、などなど。
もちろんまだまだ考えられるでしょう。
もし富山や長浜と同じような切り口になってしまっても、歴史や数値が事実であり、かつ実績として上回っていれば良いと思います。
相手先とうまく関わりを持って「どちらが元祖か?」的なことで両方盛り上がっていける可能性もあります。

他には、ガラスに関する化石や遺跡が発掘されたというのもアピールしやすいでしょう。
ちなみに日本最古のガラス(弥生時代が有力ですが、縄文の終盤にはすでに存在していたという説もアリ)が日本製なのか輸入品なのかは、今のところ判別がついていないようです。 なので「日本ガラス発祥の地」というのは無理でも「日本最古のガラスが発掘された場所」としてアピールできるでしょう。

さらにそこにその地域ならではのまことしやかな伝説や神話性も加えてオリジナルのストーリーを作れると、時代を超え、さらに嘘とも本当とも取れないようなロマンも出せるでしょう。



ステンドグラス 建物

キーワード 〜ステンドグラス〜

次に「ステンドグラス」に絞っていくと
・ステンドグラス作家が多く住んでいる
・ステンドグラスの世界的な賞をとった方がいらっしゃる
・ステンドグラス工房が多い
・ステンドグラス体験施設がある
・制作のための最新の設備がある
・日本で最初にステンドグラスが伝わった
・日本で最初にステンドグラスを作った方がいる
・日本で一番古いステンドグラスがある
・日本で一番大きなステンドグラスがある
・ステンドグラスの専門学校があった
・ステンドグラスの美術館がある
・ステンドグラスがキレイに見えるような高台が多い
・ケイムを作っている工場が集まっている
・ステンドグラス倉庫があって、そこに多数のステンドグラスが眠っている
・ステンドグラスが出てくるテレビ番組のロケ地になった
・結婚式場のステンドグラスが荘厳すぎる
・風景がステンドグラスっぽい

、、、などなど。 もちろんまだまだ考えられるでしょう。

遺跡になって発掘されるほど、日本ではまだステンドグラスの歴史が深くないのが残念です。

キーワード 〜何もない〜

何か上記のような関わりがあると取りかかりやすいですが、何もない、地域活性化したい気持ちはあるけど関わりが何も見つからないという場合もあるでしょう。
何もなければ今から新しく取り組み始めても良いでしょう。
地域単位、工場単位、市民レベル、趣味の集まりなどから、純粋に「地域活性化のために街のシンボルになるようなステンドグラスを作り始めた」というのもアリだと思います。
そしてそこからどう広げていけるか、何を目指して、どう活性化させていけるかを後付けで考えていきます。。ただその際もなぜステンドグラスを取り上げたのかの理由はあったほうが良いでしょう。

ステンドグラス テーマパーク入り口

ということで、ストーリーの切り口はそんなところからいくらでも広げられると思います。 見つけたもん勝ち、考えついたもん勝ちなところがあるかもしれません。
ステンドグラスとの関わりがあるに越したことはないですが、なくても始めたもん勝ちです。

まだどこも本格的に手をつけていないステンドグラスだからこそできることです。



続く「町おこしに最適⁉︎ ステンドグラスで地域活性化! その3」では実際に何をしたら良いかソフト面を考えていきます。