ステンドグラスの特徴の一つにケイムという線があります。
デザインの境界線やガラスとガラスの間を鉛や真鍮、ハンダなどの線で表現するものです。
このケイムの使い方でステンドグラスは上品にも野暮ったくもなってしまいます。
止むを得ずガラスのカットが必要なデザインであったり、異なるガラスを使って表現したい場合など、ちょっとケイムが邪魔になる時もあります。
しかしその半面、このケイムをうまく使うことでステンドグラスの魅力をさらに引き出すことができます。
せっかく使うならうまく活かしたデザインはないかな?ということで始めるこの「ステンドグラスと相性が良いデザインを探すシリーズ」。
第二弾の今回は「国旗」です。
国旗がステンドグラスのデザインとしてふさわしいかどうか、検証していきます。
よく考えてみると、国旗というものは極力シンプルにデザインされてるものが多いです。
2〜3種類の色の組み合わせだったり、真っ直ぐな線で構成されていたり、彩色も基本的にはベタ塗りです。
なのでデザイン的にステンドグラスと相性が良いのは当たり前です。
ということで、今回は逆にケイムを使うと「ステンドグラス化が難しい国旗」というのを探してみます。
トルクメニスタン
伝統産業である絨毯の柄で、主な5部族を表しています。
サウジアラビア王国
アラビア語で「アッラーの他に神は無く、ムハンマッドは神の予言者である」という、コーランの一説。
カザフスタン
民族の伝統模様。
ベラルーシ
伝統的な織物の模様。
ブータン
ドゥルックと呼ばれる雷龍。
細かいですがきっちりしたデザインなので、できなくはない、といったところでしょうか。
ドミニカ共和国
国鳥でもあるミカドボウシインコが描かれており、他にはない色使いなので、ぜひステンドグラス化して欲しいですね。
パラグアイ
なんと表と裏が違うデザインというものもあります。
表には独立を意味する国章「5月の星」が、裏にはフランス革命のシンボルである「赤い帽子」を守るライオンが描かれています。
なんとなく「国旗はシンプルなもの」と思いがちですが、世界を見るとそうではないんですね。
縦横の比率が世界で統一されているのかと思えばそうでもなかったり、かなり細かいデザインのものがあったり。
でもどこの国も、その国旗に込められた意味を知ると、さらにその国への興味が湧いてきます。
ましてや現地で見るその国の国旗はまた格別な思いがあることでしょう。
それを踏まえてネットで国旗のステンドグラスを探してみました。
国旗(オーダーメイド体験)
体験教室で作ったようですが、しっかり「作品」になっています。
アメリカ国旗
カナダ国旗
バスク地方
緑と赤の対比が強烈です。
イギリスと日本国旗
色味もステキ。
ということで結論!
今更ですが「国旗はステンドグラスに向いています!」に認定です!
<参考ホームページ>
おとなの補修時間vol.82「あのデザインに秘められた意味は?世界が広がる国旗の話」
https://www.ntt-card.com/trace/sp/vol84/hoshuu/index.shtml