ステンドグラスを構成する大きな要素として、「ガラス」と「ケイム」の二つがあります。
ステンドグラスにおいてガラスが話題になることは当然ありますが、その一方でケイムがメインで語られることはまずありません。
なぜ?
確かに実際の作品においてガラスがステンドグラスの8割ぐらいを占めています。
しかしそれを支えるケイムだってステンドグラスのデザインを左右する重要な構成要素です。
コッパーフォイルでは出せない、いわゆる「ステンドグラスらしさ」をイメージ付ける大切な要素です。
その一方で制作において、とても気を使う箇所でありながらあまり日の目を浴びない、縁の下の力持ち的な部分でもあります。
あぁ、ケイムにも光を当ててあげたい!
ケイムだってもっと自己主張したいはず!!
ということで、こんなケイムがあったらいいなというのを考えてみました。
エングレイブを施す
植物をモチーフにした彫刻模様を施すと高級感、時のながれ、重みが出ると思います。
ゼマイティスというギターのメタルフロントのように、まさにこれだけでも芸術としての価値が出るぐらいのものを作ると荘厳さがアップです。
毛皮を付ける
豹柄になんかしたら、それはもうインパクト大!
もちろんなめした革でも雰囲気は変わるでしょう。
色を塗る
ケイムは鉛や真鍮でできているので、その最終処理の仕方で色が変わってきます。
基本は黒などの目立たない色ですが、これを白や赤、青に塗り直してみるのはいかがでしょうか?
印象派のような作品ができる気がします。
銀色にしてヘアライン加工をするのも面白そう。
模様を付ける
水玉や星のマークを付けるなど、ちょっとした遊びを入れてみるのはいかがでしょうか。
このマークは色つきで付けるのも良いですが、そのマークを掘ったりエンボス加工しても雰囲気は変わるでしょう。
その水玉や星もガラスを埋め込むとさらに輝きが増しますね。
ただケイムの厚みが必要になりますが。
動きを持たせる
ケイムは直線、もしくは曲線で使用されるので、ケイムの両側を「〜〜」のように蛇行させたり、雷のようにギザギザさせてみるのはいかがでしょうか?
これは飲み込みの部分を多く取る必要が出てくるので、必然的にケイム自体も太くなるでしょう。
3D化
もう立体的にしちゃいます。
二次元的な作品でも、スタッズを付けてみたり、鎖をぶら下げてみたり、中世のお城みたいにガーゴイルをつけてみたり。
さすがにそれはやりすぎですが、一輪挿し用に花瓶のようなものを付けるぐらいならステキですね。
いかがでしょうか?
ケイムに対して見方が変わりましたでしょうか?
今回はケイムを見せるためのステンドグラスというところを意識して考えてみましたが、でもケイムが暗い色でシンプルだからカラフルなガラスが映えるのかなとも思いました。
とは言うのものの、ケイムに対してもう少し何かできることがあるのでは?と思います。
まだ誰も手をつけていないところなので、まさにブルーオーシャンです!
どうぞお早めに。
以下、今回参考にさせていただいたホームページを紹介させていただきます。
雑多なページ様
asait.world.coocan.jp
ケイムについて、分かりやすく、コンパクトにまとまっています。
ヤマノスタジオ様
www.studio-yamano.com
ケイムってこんなに種類があるんだって驚かされます。
ステンドグラス・ビトロ様
www.vitrail.jp
ケイムを使ったステンドグラスの制作の様子が詳細に紹介されています。
キュウコン・ステンドグラス様
kyukon-stained-glass.net
細いケイムを使った製作がいかに難しいか伝わってきます。
マリヨステンドグラス様
www.mariyo.jp
鉛製ケイムを自社で製作しています。
皆さま、ありがとうございます!