ステンドグラスのある日日(ヒビ)

ステンドグラスのある日日はステキだ!ステンドグラスがもっと身近になることを祈りつつ、ステンドグラスやガラスの未来を明るく楽しく考えるブログ。

「ステンドグラスはオシャレか?」の件

ステンドグラスと影の人 ステンドグラスと聞いて、一般的にはおしゃれなイメージを持たれると思います。 そもそもステンドグラスの楽しみというのは、ステンドグラスの作品自体のデザインやガラスの美しさ、そして光が当たった時の発揮される美しさ、透過された光の美しさなど、様々なポイントがあります。

しかし、ステンドグラス好きの私が見ても、「コレはオシャレなのか⁉︎」と感じてしまうものも時々見受けられます。

ステンドグラスの光 例えば趣味でステンドグラスを作成する方もいらっしゃいますが、初心者の方の作品の中には、作品のデザインも含め「なんとかかんとかできあがりました(汗)」感が強く出ているものがあります(頑張って作っていらっしゃるのは分かります、スイマセン)。

なのでここではそういったものではなく、あくまでプロの技術で作成された(手作りかそうでないか、伝統的な技法を用いてるか用いてないのかなどは関係なしに)一定レベル以上のステンドグラスについてお話ししていきたいと思います。

窓際 あくまで個人的な感想ですが、ステンドグラスは「おしゃれ」なイメージはあるのですが、それがどうも若者寄りな「オシャレ」とはちょっと違う感覚なような気がするのです。

誤解を恐れずに言えば「おばあちゃんが思うお洒落」とでも言いましょうか。今風ではないというか、野暮ったいというか、ちょっとズレたメルヘンチックさを感じるというか、洗練されてない部分があるような、、、。

ベタ塗りステンドグラス おそらく原因はそのテーマやデザイン性だと思います。どうしてもステンドグラスはフラット(ベタ塗り)なデザインになります。そのためその色合いやデザインが強く印象に残るのですが、シンプルであるが故に単純さや子供っぽい印象を与えることもあるようです。

ではどうしたら「お洒落」ではなく「オシャレ」になるのでしょうか。

マレフィセントステンドグラス その昔、ステンドグラスは教会で宗教の布教用に作られていたということもあり、インパクト、分かりやすさが必要でした。でも今はステンドグラスを使用する意味合いが変わてきています。なので現代的に、アートと実用性を兼ね備えたテーマやデザインを選ぶと「オシャレ」に近づくのではないでしょうか。

そのためのキーワードとして「色数少なめ、控えめなデザイン、大き過ぎない、かわいい、個人の思い、TPOに合わせた、新技法」といったところが考えられると思います。

かわいいステンドグラス 昔は、それこそ教会にあるような大きく派手な分かりやすい作品がメインでしたが、今後は住宅や学校、公共施設などに配置されることを考えると、そのTPOに合わせた大きさや色数、デザインになり、しかも全面的というよりむしろワンポイントで、かわいらしさ、もしくは用途のはっきりした作品が増えてくると思います。

そしてその作品には作家さん、もしくは依頼者の思い、意志が込められた、ごく個人的な作品になってくるでしょう。

おじさんステンドグラス そういった場面で求められるデザインは、今までの伝統的な技法では表現しきれないものも出てくるでしょう。ステンドグラス界(というか主にガラス業界)も新しい素材や技法が生まれてきています。なので物理的にガラスがカットできなかったために表現できなかったデザインや、明るい表情の人物像、影のついた立体的なデザイン、文字がメインの作品なども今後は増えてくるでしょう。


「光が当たることで命を吹き込まれ、その光の変化によって見え方も変化していく」というステンドグラスの特性は芸術方法としても珍しく、そして貴重な表現手段だと思います。そんなステンドグラスが、未来に向けてさらに進化・発展していくことを期待しています。